発症から数カ月以内の方②

ME/CFSにたどりついた患者さんが、早めに知っておくとよいこと。

医療機関ごとに特徴がある

ME/CFSは解明がまだすすんでいない疾患なので、どの病院でもまったく同じ診療を行う、という状況ではない。
診断は診断基準を用いるが、複数の基準があり、またバイオマーカーを測定して診断されるものではないため、診断の有り様は細かいところでばらつきがある。。
治療の選択肢は、診療の手引きなどで、知見のアップデートはすすんでいるが、先生のご専門や、特徴をもって診療しているところもけっこうある。
お一人お一人のご体調にあった病院がみつかるといいなと思う。

★専門医が教える 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)診療の手引き
https://www.amazon.co.jp/dp/4784948600

★国際ME/CFS学会編「臨床医のための手引書 2014年版」日本語翻訳
https://mecfs.ncnp.go.jp/person/


症候群なので患者さんによって異なる

病的な全身倦怠感は、おおむね共通だが、「症候群」なので人によって症状の現れ方が異なる。いくつかのサブタイプがあると言われている。
免疫系の異常が強そうな方、代謝系の異常が強そうな方、内分泌の方、など。
これらが一人の患者さんでミックスされてることが多く、症状の強弱の現れ方が人によってちがう。

そのため、患者さんや先生とのコミュニケーションで、症状が噛み合わないように感じるときは、サブタイプちがいかもしれない、と受けとめるとよいと思う。
(ここでの「噛み合わない」とは、ME/CFSを全くお認めにならない方とのコミュニケーションではなく、ME/CFS内の話)


闘病がつづくと、どうしてもこのことで、メンタルヘルスに影響することがある。
気持ちや考え方を、はやく病態解明がすすんでほしい、というポジティブな方向でとらえるように心がけているけれども、症状が重くてしんどかったり、罹患期間が長いと、メンタルヘルスの大変さを感じる。
だからこそやはり、お一人お一人に適した診断や治療になるように、科学がすすんで欲しい。