急性期向けメッセージ①

数年前までの患者さんは、MECFSにたどりつく前に、多くの医療機関を受診し、発症から数年経過後にようやくMECFSにたどりつくことが多かった。
そのためご自身がMECFSで発信している方の多くは、すでに慢性状態で、MECFSととらえて間違いなさそうな方が多かった。

最近は、啓発の効果、SNSの普及、コロナ後遺症などで、発症から日が浅い患者さんがMECFSを知る機会が増えてきた。
急性期向けのメッセージの必要性を感じている。


1. 鑑別の必要性

発症から日が浅い患者さんは、他の疾患・難病・進行性の病気だとまずいので、頭の半分はMECFSかもと思いつつ、もう半分は、もしかすると他疾患かもしれない、という感覚が大切。
MECFSは明確なバイオマーカーがないので、鑑別しないと診断がつかない。

私がお問い合わせなどで、以下のような場合は特に、基幹病院やそれに準ずる医療機関での鑑別検査をおすすめしている。

1. 全身倦怠感やそれに準ずる症状とは異なるかもしれないニュアンスで、身体が物理的に動かしにくくなったり、強い痛み・腫れで動作できないような場合。

2. ブレインフォグとは異なるニュアンスで、脳のはたらきに支障が出てるかもしれない場合。


2. 困ってる症状・経過を説明できるようになる

ネットでなんでも調べる時代なので、患者さんが自分の病気のことを調べることは自然だが、いざ医療機関を受診するとき、患者の役割をできるようになることが大切。

それはお困りの症状や、病気の経過を説明できるようになること。
ご自身のことはネットには書いていないので、自身でよく振り返り、説明できるとよい。

診察室は、その場の雰囲気に飲み込まれたり、通院・待ち時間で疲れ果ててたりするので、できるだけメモを持参すると良い。メモ持参は米国疾病対策予防センターでも推奨されている。

★参考:受診前の患者様・ご家族様の準備について(ME/CFS info)


逆に診察室で唐突に、自己診断した診断名を医師に告げたりすると、心象が悪くなる事が多いので、気をつけたい。
患者のしごとは困りごとを伝える。医師のしごとは診断、という感じですすめるとよいと思う。
ちなみに、患者がしごとをしっかりしても、医師が対応できないケースはたくさん起きている。話が噛み合わない場合は、他院に行くことをおすすめしたい。