未解明の全身疾患の研究とConnecting the dots

(作成日:2020年8月2日/編集済)

connecting the dotsと言えばスティーブジョブズのスタンフォードでのスピーチが有名で、今取り組んでいることが将来なんらかの形でつながって活かせると信じて今を生きろ、という風な教えだった。


私は症状が全身にあらわれる認知度が極めて低い未解明の疾患を患っている。新しく解明するには、connecting the dots、点と点を結んで線にする営みが必要である。


西洋医学は領域ごとに専門が細かく分かれた縦割り体制で、専門性を高めることが重視されている。臓器特異的な疾患のあつかいに効率的な体制で、長い年月続いている。
しかし私のような、症状が全身にあらわれる疾患で未解明なものを、新しく解明するには、この体制のままでは不向きである。
循環不全は循環器内科、お腹の症状は消化器内科、皮膚の症状は皮膚科、平衡障害は耳鼻咽喉科、神経障害は脳神経内科や脳神経外科、若年で発症すれば小児科、その他にも内分泌科、膠原病科、心療内科、精神科など、担当は細かく分かれている。
このようなさまざまな科が、自然体で一つの目標に向かうことはとても難しく、戦略的な体制づくりが要る。


本来、医療にかぎらず、横断型業務はさまざまな業務・場面で発生する。そこで良いシナジーを生み、かたちにするにはconnecting the dotsは必ず要る。
A、B、Cが、ただあればいいのではなく、関連性を理解し、発散と収束により各分野の知恵を束ね、統合的に整備・構築・確立する必要がある。
実現には、全体調整の旗振り役、あるいはファシリテーターが必ず居る。


ただ、この業界はそのような役割を担う企画職がほとんど居ない、ように感じている。既知疾患業務のウエイトがほとんどで、新規事業のような業務のウエイトがとても低いからではないかと考えられる。なので、既知疾患文化にとらわれず、気づいてできる人のがんばりが必要、ととらえている。

自分の疾患の領域がconnecting the dotsの相乗効果で、じわじわ解明がすすみ、いつか治せる日が来ることを願う。